■IWC脱退騒動はどこへ行ったか
先日メディアで日本がIWC(国際捕鯨委員会)を脱退するかもしれないと報道された。捕鯨推進国である日本と反捕鯨国が大半を占めるIWCとの間で軋轢が生じたためだ。しかし、どういうわけかすぐにこの報道はされなくなった。国民の興味が無いために、視聴率が稼げないと判断したためか。
■メディアの闇
問題は政府が捕鯨問題を隠したがっている点にある。現在販売されている鯨肉はどんな種類でどこで捕れたのか、テレビや新聞メディア媒介だけでは知ることは出来ない。NHKや日経、朝日新聞でもまともに取り上げないのだ。必要に隠す必要があるとしか考えられない。
■捕鯨の実態
現在市販されている鯨肉は「調査捕鯨」の副産物である。「調査捕鯨」とは、クジラの資源量や生態を科学的に調査するための捕鯨のこと。捕鯨はIWCにより1982年からモラトリアム期間(中止期間)となり、捕鯨は国際的に禁止された。ここでの捕鯨は「商業捕鯨」であり、「商業捕鯨」とはその名の通り商業のための捕鯨である。つまり日本は「商業捕鯨」は中止しているが、「調査捕鯨」は行っているのである。
日本捕鯨最大の問題点は捕鯨場所にある。クジラの永久保護区(サンクチュアリ)である南極で捕鯨を行っているのだ。南極で捕鯨を行っている国は現在日本だけであり、この行為は国際的に非難が広がっている。かつて日本捕鯨船団とグリーンピースが衝突したことがある。驚くべきことにこのとき日本は捕鯨中止を警告してくるグリーンピースの船に体当たりし、さらに日本側は当時の映像を残しあたかもグリーンピースの船が日本捕鯨船団ほ船に体当たりしたかのような映像に捏造させた。
これらの理由により、反捕鯨国から捕鯨再開を強く拒否されているのだ。無理も無い。
■生態系を守るために
確かにクジラはオキアミのほかにイワシなどの魚も食べる。『これから食えなくなる魚』(*著者:小松正之)では捕鯨を再開しなければ、漁業は壊滅的な損害を受けることを指摘。「調査捕鯨」の科学的根拠に基づいた捕鯨枠を取り決めれば、生態系を守りながら捕鯨を進めることが出来る。しかし、現在の「調査捕鯨」ですでに捕鯨枠を超えた乱獲が行われている。捕鯨再開には確固たるモラルが問われる。
■『日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』
著者はグリーンピースジャパン事務局長の星川淳氏。普段は反捕鯨を訴えているが、この著書では出来るだけ中立の立場を保つように心がけられている。食文化を守り、同時に生態系を守るためには冷静な判断が必要不可欠だ。
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